映画「8番出口」が公開されましたが「面白い」「つまらない」と評価が分かれるようです。
この記事では、
- 映画「8番出口」はつまらないのか
- 映画「8番出口」のシーンの意味
- 映画「8番出口」の感想まとめ
- 映画「8番出口」の評価が分かれる理由
について、ネットの声を踏まえてまとめています。
映画館で見る価値はあるのか、参考にしてみてください!
ネタバレを含みますので、ご注意ください。
目次
映画「8番出口」はつまらない?
映画「8番出口」がネットで「つまらない」と言われる理由の1つに、
考察が必要な部分があるため「分かりにくい」と感じてしまうことが挙げられます。
まず、映画「8番出口」を見た人の多くが感じている次の疑問について、解説していきます。
- おじさんの正体は誰?
- 少年は主人公(二宮くん)の息子?
- 主人公(二宮くん)の喘息の意味
- おじさんやJKなど、ループに迷い込むのはどんな人?
- 少年がおじさんに返答しなかった理由
- ピンク色の体のネズミの正体は?
ネットの情報をもとに、いくつかの考察をまとめました。
疑問を解消してから見ると「面白い」と感じられるかもしれませんね。
疑問①おじさんの正体は誰?
おじさんの正体については、次のような考察ができそうです。
おじさんの正体
- 二宮さん演じる主人公と同じように、
ループに囚われて人間性を失い「異変」の一部となってしまった人 - 「こうなってはいけない」という、主人公にとって失敗の未来を象徴する人
- 二宮さん演じる主人公の父親説
父親説については、おじさんが迷いこんだ時「久しぶりに子供に会える」と言っていたこと、
少年の「父親がいないと」いう発言に対し、主人公が「俺も」と言っていたことから
推測できます。
正解は分かりませんが、どれも可能性としてあり得ますよね。
疑問②少年は主人公(二宮くん)の息子?
時間軸や違う世界線が混ざるので分かりにくい部分でしたが、
少年は主人公の息子と考えて良さそうです。
理由としては、以下のような考察がありました。
少年が主人公の息子と考えられる理由
- 元カノ(ママ)登場の異変と親子3人のシーンが、血縁関係を示唆している
- 貝殻を手渡すシーンで、小松菜奈さんの風貌の方をお母さんと呼んでいる
- 少年が「父親はいない」と言っていることから、
主人公が父親になる決断をしなかった(未来の)息子とも考えられる - 少年は産まれる前の主人公の息子説
8番出口のループは日常の迷いや選択を表すだけでなく、産道を表現しているという考察
主人公の葛藤や迷いが「8番出口」の赤ちゃんの泣き声や津波として表現され、
息子が出てくるのは「主人公の息子への迷いを解決する」意味だと考える人が多いようです。
主人公は、故郷が東日本大震災の津波で被災しています。
疑問③主人公(二宮くん)の喘息の意味
主人公(二宮くん)の喘息の意味は、次のような考察が見受けられました。
主人公の喘息の意味
- 「コロナの後遺症で喘息に悩む男」という設定のため
- 迷いや息詰まった感じなど、パニックになった人の表現として「喘息」を使った
- 喘息がなくなった=迷いを捨て目標に向かって進むという表現
- 少年も咳をしていたので、喘息=親子の匂わせ
この点についても、様々な考察がなされていることから
いくつかの意味を含んでいると考えられそうですね。
疑問④おじさんやJKなどループに迷い込むのはどんな人?
映画「8番出口」に登場する「おじさん」や「JK」など
「ループに迷い込んでいる人はどんな人なのか」が気になっている人が多いようです。
おじさんとJKの背景をそれぞれ見ていくことで、共通点が見えてきます。
おじさん
- 過去に息子に手を上げて離婚しており、この過去や息子に対する迷いがある
- 「ガキに会いに来てやったのに!」との発言から、離婚後の子供や妻との関係も悪い
JK
- 設定が伏せられており、正体は不明
- 台詞から、パパ活などの現代的な闇を感じる
おじさんもJKも、各々迷いや葛藤を抱えていることが分かります。
ちなみに主人公は、元カノとの子供を堕ろすか迷っていましたね。
ループに迷い込むのは「人生に迷い葛藤している人」と捉えてよさそうです。
ループに迷い込む人の共通点
- 人生に迷ってる人
- 同じ思考を繰り返して、答えが出ない人
- 違和感を感じた瞬間に引き返さない
=悩みやストレスでその時の判断が狂い、悪いループにハマってしまう
さらに考察すると、
おじさん | 以前は迷っていたが、迷うことをやめてしまった人 |
JK | 迷ってる人をバカにして、迷うこともしない人 |
主人公 | 迷っているのは、違う世界線に行ける可能性が残っている人 |
とも言えそうです。
疑問⑤少年がおじさんに返答しなかった理由
少年はおじさんには無口で無表情、返答も一切しませんでした。
「二宮くん演じる主人公とは喋っていたのになぜ?」というSNSの投稿が多くありました。
少年は異変を見つけてもおじさんに黙っていたり、おじさんの質問にも答えずにいましたが、
一体なぜだったのでしょう?
少年が返答しなかった理由
- 「ママに見つけてほしかった」との発言から、母の愛情を受けずに育ったと考えると
他人への関心や興味、期待を失った結果、言葉を発さなくなってしまった - 「知らない人と話してはいけない」と教えられており、
知らないおじさんにと話さなかった - 胎児の具現化であるため、話せない
少年が話さなかった理由として、明確なものはありませんでした。
ですが、主人公とおじさんの対比を見ると、少し理解が進みます。
主人公 | 泣いている子供と責められる母親を守れなかったことを、悔いていた。 息子である少年が発見した異変をしっかり確認し、少年と共に引き返す。 母親の幻影を見た際に「行くな!」と引き止めた。 |
おじさん | 自身の子供に向き合わず、子供の行動に全く関心を向けなかった。 最終的には俺は悪くないと、見捨てる。 |
こう見ていくと、主人公は「少年にとって心を開ける人」であり
「父親として認められる人」だったから話した、
一方で「おじさんはそうでなかった」と考えられそうですね。
疑問⑥ピンク色の体のネズミの正体は?
ピンク色の体のネズミが不気味だと話題になっていました。
この不気味な生物は、何を表しているのでしょうか?
調べるなかで個人的に一番しっくりきたのが、次の考察です。
ピンク色の体のネズミの正体
- 8番出口は、赤ちゃんが人の形になっていく過程を表している
- ネズミに付いた体のパーツは、人がお腹の中で形作られていく様子
- 通路で血が流れ最後に水で流されるシーンは、出産を表現
少年の「母は知ってるが、父は知らない」という言葉は、
単に「実父を知らない」という意味だけでなく
「まだ生まれていなくてお腹の中だから母親しか知らない」と捉えることもできます。
映画「8番出口」の感想まとめ
映画「8番出口」を見た人の感想を見ると、賛否が分かれています。
感想を一部ご紹介します。
面白かった
- まあまあ面白かった。人間の心情を描く感じでした。
ゾッとするシーンや考えさせられるシーンもあって、ドキドキした。 - 面白かったです。 原作の8番出口の内容をほとんど知っていて
異変もほぼ把握していたので「気づいてよ〜」とハラハラさせられました。 - 何回も同じ場所をグルグルするので地味だが、
考えさせられるところや考察要素がある。 - 8番出口の内容を知っていると「マジ!?」と驚く展開がある。
個人的には、面白いけど映画で見るほどではないかなぁという評価です。
つまらなかった
- つまらなすぎて、ほんとびっくりした。
起承転結もなく地下の通路ぐるぐるするだけで、閉鎖にもほどがある。
異変も無理矢理感あるし、 時間がもったいなかった。お金返して欲しい。 - 正直あまり面白くなかった。ゲームをただ実写化しただけって感じ。
- 本当に面白く無い。展開が全て予想できるし、全然怖く無い。
- びっくり系で、何もストーリー性がない。面白くなかった。
- ゲームの8番出口は自分で操作するからこそ、異変があったのかと思ったり、
怖かったりして面白いと思っています。映画だと観ているだけなのでつまんない。 - 内容の意味がよく分からないまま終わって、モヤモヤしている。
ネガティブな感想をもった方も、次項の「評価が分かれる理由」と見ると
映画の構成に少し納得できるかもしれません。
映画「8番出口」の評価が分かれる理由
映画「8番出口」の評価が分かれる理由を、様々な感想からまとめてみました。
理由①「面白い」より「考えさせられる」作品のため。
考察が好きな人は、色々考えながら「このシーンはこういう風にも捉えられる」と
想像を膨らませて楽しむことができる。
現代社会の問題を表している作品でもあるため、
「考察は面倒くさい」 「社会問題には興味ない」 という人には退屈に感じてしまう。
描写が何を表現しているのか、分かりづらい映画であることは間違いなさそうです。
ただ、「1つ1つ説明してほしい」「納得感がほしい」という方にとっては
つまらないと思われてしまう側面もあるようですね。
理由②学びは多いが、表現が間接的で分かりにくい
人生の縮図のような物語を、8番出口で表現しているため分かりにくさがある。
何事も成功に遠回りは無い、嫌な事から逃げても正解は無いこと。
立ち向かう勇気、弱者に手を差し伸べる優しさを学べるが、
直接的な表現ではないため、どこまで読み取れるかで賛否が分かれてしまう。
分かりやすく面白いものを観て、感動したいなら他の映画の方が良さそうです。
映画「8番出口」は日常で迷ったり、心が折れる時の絶望が描かれていますが、
動画を早送りして見たり、数秒の広告を待つのも嫌な人には刺さらなそうです。
理由③商業映画を超えた制作側の表現
商業映画として、アート性をギリギリまで濃くした映画。
内容が薄いのではなく、引き算の美学で創られている。
天才たちが集まって楽しく作ったものが、わかる人はめちゃくちゃ分かるけど、
そうじゃない人達も産んでしまう。
分かる側だとしても、内容を理解しようとするとすごく頭を使うし、
作品内の仕掛けや演技でより観客に負荷をかけてくるが、それが癖になる演出。
万人受けしないので、どんな人でも伝わるかというと微妙ですが、
「日本の天才たちが本気で変なことをしたらどうなるのか」がこの作品に出ています。
迷い込んだ時間軸がバラバラなことや、
過去と未来が複雑に交差しているのも、混乱要素かも。
考察のし甲斐がある映画なんだね!
まとめ
映画「8番出口」が「つまらない」と言われてしまうのは、
人間の心情や行く末を間接的に描き、余白を持たせているためだと分かりました。
制作側もチャレンジしている感が伝わってきます。
個人的には、満員電車での周囲への無関心具合や、見て見ぬ振りなど、
現代の違和感ともいえる状況が色濃く反映された映画だと感じました。
下ばかり向くようになった現代人は、天井の異変の数々に気付けませんでした。
こうやって日々、見落としているものがあるのかもしれません。
「スッキリ!」はしませんが、非常に考えさせられる映画でした。
映画「8番出口」でヒカキンが出てきたシーンについては、別記事でまとめています。